Company Profile

心と身体に届くダンスをどうぞ

1997年、隅地茉歩と阿比留修一によって設立。
2004年以降は照明家の岩村原太が技術演出として活動に参加。

カンパニー名のセレノグラフィカとは、Selenography(月面地理学)+icaで「月究学派」(時間や場所によって変化する月のように、一見とらえどころの無いダンスやアートを追求する者たち)の意の造語。
結成後、関西を拠点に国内外を問わず幅広く活動を継続、一貫して、多様な解釈を誘発する不思議で愉快な作風と、緻密な身体操作を持ち味としている。

初期には文学性の強い耽美派の作品を、中期にはパートナリング主体の運動性の激しい作品を、近年は想像力に強く訴えかける彩り豊かな作品を数多く創出し、好評を博す。
リヨンダンスビエンナーレ(仏)、パリ日本文化会館(仏)、ダンスアンブレラ(英)、釜山インターナショナルサマーダンスフェスティバル(韓国)、アートレイジフェスティバル(オーストラリア)など国外でも作品を発表し、「物語から抜け出した老いた子供」などとも評される(ル・モンド紙)。

近年は、これらの公演活動に加え、ワークショップやアウトリーチにも等しく情熱を注ぎ、「身体と心に届くダンス」をモットーに、全国各地への遠征を重ねる。650を超える教育機関での現場経験を持ち、地域の劇場との協働事業も数多く、また、他ジャンルのアーティストとのコラボレーションや映画作品への振付提供および出演を行うなど、ダンスが成し得ることを、日々検証し続けている。
(一財)地域創造「公共ホール現代ダンス活性化支援事業」登録アーティスト。

カンパニー理念

作品創作における方法論を常に見直し磨き上げ、創作手法や身体操作法を更新していくこと、それは年月の風雪に耐えうる作品を提供し、変化し続ける“今”に対して求心力を持ちうる作品を提示することでもあります。これらに並行して、ワークショップやアウトリーチを行い、他にも執筆や講義、セミナーでの講師を務めることなど、鑑賞体験とはまた違う形でダンスを伝えることを、私たちは大切にしています。ダンスアーティストとして、この二つの根っこが太くつながっていると考えているからです。
身近で協力してくれる人たちや、離れたところから応援してくださる人たちの温かい理解の上に私たちの活動は成り立っています。

 

ura_profいまだに関西人に成りきれていないところもある四国出身の隅地と、大阪以外の場所で在住したことのない阿比留。そして千葉県産にも関わらず生粋の京都人のような岩村。
阿比留と隅地はふだんからの掛け合いでよく夫婦漫才的とも言われ、そこに冷静な岩村のテイストが加わって不思議なバランスを保っているトリオ。
それぞれに得意分野のベクトルが異なり、総合的なバージョンを常に更新。滞在型制作、短期間での公演準備において馬力を発揮中。

Member Profile

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隅地茉歩
[すみじ・まほ 振付家・ダンサー]

セレノグラフィカ代表。同志社大学大学院文学研究科修了。高校の国語教師として在職中にダンスと出会い、その後国内外でダンサーとしての研鑽を積む。
カンパニー結成後、振付家としてデュエット作品の創作を基軸に、ソロやグループの創作も手がけ、近年カンパニー外への作品提供も増えている。
繊細で大胆かつ不思議で愉快な作風と、緻密な身体操作によるワンダームーブメントが持ち味。ワークショップやアウトリーチのナビゲーターとしても、セミナーの講師としても定評があり依頼も多い。
TOYOTA CHOREOGRAPHY AWARD2005 にて、グランプリに当たる「次代を担う振付家賞」受賞。京都精華大学非常勤講師。


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阿比留修一
[あびる・しゅういち ダンサー]

近畿大学文芸学部芸術学科演劇芸能専攻卒業。大学同期生との舞踊活動などの後、セレノグラフィカのダンサーとして、ほぼ全作品に出演し、隅地と活動を共にする。
即興王、ダンスの職人、かかとのない男などの異名を持つ、関西を代表する男性舞踊手。
「紙のように舞う」を信条に、動きの緩急、質感の落差などを追求した身体テクニックで踊り倒すそのダンススタイルは、多くのダンスファンの共感を呼んでいる。近年ではソロ活動にも力を入れている他、小野寺修二(デラシネラ主催)作品(「Xのフーガ」08年)や、dots作品にパフォーマーとして出演(「ALTER」13年)するなど、客演も多い。
平成8年度大阪府芸術劇場奨励新人。


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岩村原太
[いわむら・げんた 技術監督]

京都市立芸術大学在学中よりライティング・ワークの試みを始め、卒業後、劇場芸術・舞台表現の現場に参加し今に至る。現在、自身のワークショップ「pdd_G.Light’W.」を主宰する他、デザイナーとして「観光会」を継続。
代表を務める「西陣ファクトリーGarden」では実験的作品の自主制作を行う。1990年より参加する「山海塾」ではディレクター天児牛大氏の照明アシスタントを勤め、2004年より「ダンスカンパニー・セレノグラフィカ」に技術演出担当として参加。
創作ではコラボレーション作品上演(セレノグラフィカのほか、岡登志子氏、今貂子氏)等。



イメージフォト/プロフィールフォト:平野愛
ウェブディレクション:松川祥広