先週末に無事終演いたしました「無言歌~カラダとウタウ~@北九州芸術劇場 小劇場」。
その際にお配りしました当日パンフレットにてご挨拶文を執筆しました。
新型コロナウィルス感染症の影響で、ご予約が叶わずにご来場できなかった方々にもぜひご一読いただけましたらと思いこの場をお借りして公開させていただきます。
********************************************************
「無言歌~カラダとウタウ~」に寄せて
本日はご来場ありがとうございます。
皆さまをお迎えできることを大変嬉しく思います。
さて、「コンビ」「ペア」「バディ」「カップル」「アベック」などなど、二人で一組の扱いである呼び名には、それぞれにニュアンスの違いがあるようです。「つがい」となると、動物の雌雄のことだけでなく、身体の関節のことも指すらしいので、何とも深いと言わざるを得ません。
「つがい」=関節、が動くことで初めて、曲げる、しゃがむ、つかむ、引っ張る、歩く、、、あらゆる動作が可能になる。二つの物の連結が、動きや働きのスタートになるというのは興味深いことです。
音楽やダンスにおいて二者で行うことは、男女でなくても「デュエット」とされています。
私たちは、たまたま男女ひとりずつのひと組なので、発想や思考の起点が「二人で」や「共に」あるいは「誰かと」、であることが多いかも知れません。
相手との、身体的心理的な距離感で自分の立ち位置を計ったり、相手をあえて意識しないという意識の仕方を覚えたり。共通の体験を持つことが、共感も孤独感も両方連れてくると実感したり。誰かと一緒に何かをするということは、なんて奥行きのあることなんでしょう。
今回の新作を『無言歌』と題しました。
言葉のないウタをふたつのカラダでウタってみます。
カラダが口ずさんでいる。そんな瞬間があることを願って。
どうぞ最後までごゆっくりお楽しみくださいませ。
セレノグラフィカ ( 隅地茉歩 阿比留修一 )