北九州芸術劇場での、レインボードロップス公演から一週間。熱い余韻がさまざまに形を変え、まだ身体の中で成長し続けている感覚がある。メンバー始め、このプロジェクトに関わった人たちは元気だろうか。
出会って3年、プレ事業も含めると4年。参加メンバーに少しずつ変化はあったが、継続の方々に新たな方たちが加わり、何ともごきげんな29人での本番となった。母と娘、母と息子、先生と生徒、同級生などなど、関係性もさまざま。初舞台という人も何人もおられた。
「探せ宝を、虹のふもとに!」。公演タイトルでもある表題作は一時間強のフルレングスで13シーン。二本のソロ、短いデュオ、二つのトリオ、そして女性のグループダンス、群舞と織り交ぜ、色とりどりの身体で編み上げた珍しいタピストリーに仕上がった。これを絨毯にしたなら、好きな所へ飛んで行けそうだ。
劇場公演をしようとの計画が立ち上がったとき、少しだけ心配だったのが、劇場空間での本番へ向けて、何か誰かに無理をさせたり誰かが無理をしたりしないかということだった。でもそんなことは杞憂だった。というかどこ吹く風。メンバー全員屈託ない笑顔や笑い声の絶えない中、自分自身の身体とたくましく向き合っていってくれた。
それを活きの良いままに舞台に上げること。阿比留や私に使命があったとするならただそれだけのことである。
出演者もノーギャップなら、客席もノーギャップ。温かい拍手に包まれた時間は、テクニカルも含めた劇場スタッフの鍛え上げられた技と真心の土台の上に進んで行った。
アフタートークゲストの大澤寅雄さんが締めくくりに言われた「アートの方が社会に包摂されていく」という言葉を何度も噛み締めている。
レインボードロップスは永遠である。そして、幸せは虹のふもとを明るく探す、その身体のただ中にあると宣言しよう。
(茉歩)