2020年9月2日(水)月齢14.0 / 夜のことば6~当日パンフレットご挨拶文

先週末に無事終演いたしました「夜のことば6」。
その際にお配りいたしました当日パンフレットにて隅地、阿比留、それぞれにご挨拶文を執筆しました。
新型コロナウィルス感染防止対策でご覧いただける定員が少なく、今回ご予約を希望してくださったにも関わらず、予約が叶わずにご来場できなかった方々にもぜひご一読いただけましたらと思い公開させていただきます。

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「夜のことば6」に寄せて

外出時にマスクをするのが当たり前になって半年が経とうとしています。去年の今頃には予測もしなかったことに、あるところでは慣れていきつつあります。心が順応する速度と身体が順応する速度に、どれくらいのタイムラグがあるのでしょうか。
当初6月に予定していた「夜のことば6」のクリエイションは、3月にスタートし、その後2ヶ月の間中断しました。その間に忘れるべきは忘れ、残るはずのものは残ったように思います。手順そのものが曖昧になり、いい意味で、手つかずの所を触った感じがあります。動きも演出も、2020年のこの時期でなくては発想しないこと、取り出さないことと出会いました。その中で一番痛感しているのは、生で本番が迎えられることの有り難さです。コピーのできない瞬間の連なりを、皆さまと同じ空間で共有できることへの感謝が、今一番大きなことです。
本日は、私たちとこのような機会をお持ちくださってありがとうございます。
どうぞ最後までごゆっくりお楽しみくださいませ。

セレノグラフィカ 隅地茉歩

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今年は日々を生活しながらずっと夢をみているような錯覚に陥っている気がしてなりません。
現実なのに、まるで夢のような、しかも嬉しくはない夢。いや現実。
早くそんな夢から覚めたいと願いながら今回の上演を迎えます。
人間が本来持つ根源的なあり方を謳歌できる日が来ることを夢みて。

本日のご来場、心より感謝いたします。
ほんのひと時ですがぜひ「本当の夢」をお楽しみいただけましたら幸いです。

セレノグラフィカ 阿比留修一