2016年8月26日(金)月齢22.3 / 特段のオチもなく

CDの試聴をするのは好きなのだが、意外にその時の体調に左右されるものなのだと気づいた。ここのところ、CDショップの棚は、多くがリオオリンピックに合わせて南国めいたラインナップになっていた。これは全国的な傾向だったのだろうか。

いつもなら一枚一枚念入りに進むところを、次のアルバムに移行するタイミングが早いことに気づく。いわば堪え性のない感じで、購入するかどうかの判断のハードルもいささか高くなっている気がして、あ、今日は試聴日和ではないのだな、と自覚した。考えようによれば、そんな時の方が試聴日和なのだとも言える。購入日和と言おうか。

それでもある一枚に耳がとまり、そのCDの3曲目に特に惹かれた。何回か再生しながらふと身体の向きを変えてみるとと本棚と対面。CDやオーディオ器具や雑貨やTシャツ、書籍が同じ売り場というお店は増えたけれど、ここも誰かが知恵を絞って並び順を考えているのだろうとぼんやり想像する。ヘッドフォンをつけたままツイストして目に飛び込んで来たのは自己を啓発する方面の書籍の棚。この方面の書籍のタイトルの付け方も変遷しているようだ。

CDを売っていない書店の棚と棚のはざまの通路をあてどなく経巡り、さまざまなジャンルの本の背表紙や帯を見るのは楽しい。無責任な楽しさだ。

以前「20代でしておくべきこと」「30代でしておくべきこと」同じく40~というタイトルの本が数種類平積みにされていたことがあった。タイトルが正確にこの通りだったかどうかはおぼつかない。気まぐれに、「30代~」を手に取って目次を見ると、その10年間にやっておくべきことは、取り返しがつかないくらいの失敗をし、そこから自力ではいあがることだという項があった。妙に納得してしまった。でも自分の30代は既にのんきに終わっていた。後の祭りだ。

(茉歩)

写真は、群馬県で撮影した空蝉です。