2016年6月10日(金)月齢5.0 / 湯質のような手触り

二日間は晴れ上がり、二日間は雨が降った。雨の日にも時折晴れ間が顔を覗かせ、緑豊かな下呂の街を陽光の下に浮かび上がらせる。まるで舞台上の照明変化のように。飛騨川をはさんだ両の山並みは葉色の濃淡も鮮やか。山肌に並び立つ温泉旅館は対岸から眺めるとレゴか何かのように、手にとって配置換えをしたいような気分を誘う。

4泊の滞在。入り日の一般ワークショップを皮切りに、下呂市内を縦横に移動、三校5コマのアウトリーチを終えた。下呂交流会館アクティブのダンス初の取り組み。そういえば先日のブログで町と身体の関係について触れた。青汁かグリーンティーを注いだ中に白い岩の氷を浮かべたような峡谷べりを移動しながら、こんな景色に手の届く距離にある身体の幸運を思わざるを得ない。

ケーキ屋さんとか、薬剤師とか、野球選手とか、はたまたフリーター?とか。給食を頬張りながら将来の夢を語る子どもたちの身体が、暴力とは無縁の世界を生き抜いていけることを念じる。

毎夜場所を変えながら事業担当の方と語り合う充実。事業内容に一見直結しないようなあれこれも語る、語る、語る。そのことがやがては事業の実りにもつながってゆく。陰影や、隙間や、風通しも添えてくれる。無駄?そんなものはない。

(茉歩)

写真は、会館にほど近いミニ白川郷