2016年4月14日(木曜)月齢6.7 / 最後の桜

このお寺からは市街が緩やかに見渡せる。春も深い時期になって、なお肌寒い上田。いささか曇天、閑静な境内を散策しながら、数日間の滞在の中で触れた新旧の顔ぶれを思う。ダンスでつながる顔ぶれだ。

ダンスのワークショップがほぼ100パーセント初めてという新規採用の市役所の方々、昨秋共に舞台を作り上げたミューゼンツのレディたち。そして、ひたむきに本番に向けて稽古を積む高校生の乙女たち。

観光客が押し寄せているほどでもなく、かといって閑散とし過ぎている訳でもない古刹前山寺。武将の信仰も厚かったという。ここが鎌倉幕府の直轄域だったとはサントミューゼ制作横尾さんの解説だ。境内には樹齢700年のケヤキの大木もある。樹もここまで来ると神。

ダンスは良いものですと、誰かに同調圧力をかけることもなく、聞く方もさして力まず、自然にそう思える瞬間があちこちにあればいいなと思う。劇場というものの魔力に魅せられて、その衝撃力の虜になって生きる人たちと仕事をしているのは嬉しい。

地図はもちろん、誰もが持っている。

(茉歩)