2016年4月2日(土)月齢24.0 / 花嫁は咲く

大石神社は、言わずと知れた忠臣蔵ゆかりの社。境内の資料館には映画やテレビなどで、内蔵助を演じた歴代の俳優さんたちのパネルが飾られている。平成13年放映だったらしい木村拓哉主演のドラマなどは襖一枚分くらいの写真で一際目を引いた。子ども歌舞伎の舞台写真などもあり、口を真一文字に引き結んだ男の子の伸ばした指先に目が留まる。

この神社は桜の名所でもある。カメラを携えた人たちに、あくせくした空気はない。これは花見に共通の特徴のように思う。近隣からか、子どもだけで遊びに来ている男の子たちも見かけた。「そうちゃうで、こうやで」などと言い合いながら、鈴を振って柏手を打っている。

本殿の脇の小さな池には錦鯉もいて、水面に浮かんだ花びらを餌と間違えて吸い込んだりしていた。
馬もいた。ファラベラ ミニホースという立て札。名前は花子だそうだ。花子にはあげていい餌とあげてはいけない餌があることが明記されていて、白菜はOK.人参もOK.アイスクリームはダメ。

花かあ、と改めて思った。咲くものはいいなあ、とも改めて思った。そう言えば、今年になって、花嫁になった人が近辺に何人もいる。わざわざ嫁と称することも無いのだろうけれど、花という文字が冠されているのは香しい。Aさん、Cさん、Kさん、Yさん。おめでとうございます。新妻というと途端に生っぽく響くけれど、思い思いに咲き誇って欲しいなあとお一人お一人の笑顔を思い浮かべた。

(茉歩)

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